住宅ローン控除といえば、税金を還付することでマイホームをローンを組んで買う人を後押しをしようという税制優遇の制度です。これが、令和4年以降、改正になる見通しです。

住宅ローン減税とは?

住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。

毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます(住宅の取得対価の計算においてはすまい給付金の額は控除されます)。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

主な改正点 


さらに消費税率10%に増税される際の措置として、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した場合、または一定の期間内に契約し、令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間に入居した場合には控除期間が3年間延長されました。

具体的にどのように改正になるのでしょうか。

2022年度の税金の詳細をまとめた「税制改正大綱」で特に注目されている住宅ローン減税。

具体的な変更点としては、一年間に支払う所得税などから特定の金額を差し引く「控除」が変わります。

①年末のローン残高の1%としていた控除率を0.7%に引き下げる。

②残高の上限を4000万円から3000万円へ引き下げる。

③控除が受けられる期間を「新築・中古ともに10年」から新築は13年間、中古は10年間とする。

④所得制限が3000万円以下 ⇒ 2000万円以下へ引下げ

などです。

住宅ローン減税は、もともと、金利の負担を軽くすることで、住宅の購入を後押ししようという目的です。

ところが、今は、低金利です。


 例えば、0.4%の金利で4000万円のローンを組んで、最大限、減税を利用する場合、支払う利息は、4000万円の0.4%で、年16万円。これに対して、減税額は、4000万円の1%で年40万円。

払う利息より、減税額が年24万円多くなります。それを是正するために今回改正が行われる見通しです。

結局今回の改正で条件は悪くなるの??

今回の制度改正により、一見悪化したように思えるこの制度ですが、結局、住宅ローン減税の恩恵は、これまでと比べてどうなのでしょうか。控除期間が3年延長されたことで恩恵を受ける人もいます。


政府は、「全体では、税収に大きな変化はない。増税でも減税でもない」としています。
所得の高い人ほど、税金をたくさん納めているため、控除率が下がることが大きく響きますが、それほど多く税金を払っていない中所得の人には、減税の期間が3年延びることが大きく効いてきます。簡単に言うと、「高所得の人」は、恩恵が減る。一方、「中所得の人」は、恩恵が増える形です。

しかし、一見悪化したように見えるこの制度、今後の住宅の販売状況に影響はでてきそうです。